先日、都内某所で学生時代の友人と会って来た。

僕と彼は大学の入学当初からつるんでいて、講義もお互いに興味のあるものを提示して、二人で受講できるように示し合わせるなど、当時は四六時中一緒だった記憶がある。

合コンで酒を浴びるように飲んだり、雀荘にこもって徹夜で麻雀に興じたり、遊びでも概ね一緒に行動していた。
それくらい親しい友人だ。

卒業してからは残念なことに会う機会も随分減った。彼は実家のある地方の企業に就職し、僕は元々都内在住だったので、近場で就職。結果、お互いの物理的な距離が遠くなったのが、やはり原因としては大きい。

それでも、メールやSNSなどの通信手段を使い、定期的に連絡は取り合っていた。「何かの折にまた会って酒でも飲みたいな」そんなやりとりがお決まりのように交わされた。

それが、思ってもみなかった事で、現実化した。彼からのLINEメッセージに突然、「俺、都内の企業に転職することになったわ」という一文が飛び込んできて、随分驚いた。

また二人で定期的に会えるかもしれない。そういった期待もあったのだが、それ以上に、急な話への動揺の方が先に立つ。「こっちは嬉しいけど、それ、奥さんはOKだって?」一昨年の梅雨頃、彼は同じ職場で働いていた女性と入籍していた。

二人の幸せそうな写真がプリントアウトされた葉書をもらい、自分のことのように嬉しかったのも、記憶に新しい。

都内で勤めるということは、慣れた地元から引っ越すことになる。

色々先立つものも要るだろうし、負担になるのではないか。

彼からの返答はあっさりとした、しかし唖然とする内容だった。「嫁、浮気してた。今、離婚調停中。だから関係ない」そんな話は初耳だった。

てっきり、二人で幸せな家庭を築いていると思っていたのに……。

どういうことなのかを問い詰めると、しぶしぶながら事の顛末を説明してくれた。

取引先の都合で急な残業が入り、自宅にいる妻に連絡を入れたのだが、その残業もまた、取引先の都合で不要になってしまったらしい。

そのまま、連絡を入れるのを忘れて帰宅すると、嫁が知らない男とベッドに入っていたのだという。ここまででも相当酷い。当然、どういうことなのかと友人は問い詰めたのだが、正直に言って、その内容も聞くに堪えないものだった。

どうやらその相手とは、随分長い交際期間があったらしく、友人と結婚する前から関係を持っていたのだという。

結婚後も度々会っては男女関係を持っていたというのだから、友人は散々な裏切りを受け続けていた訳だ。

あまりの内容に、怒りで我を忘れそうになったが、友人の態度は意外にもあっけらかんとしていた。

「まぁ、終わった話だし、もう良いよ。ありがとな」彼によると、その後、あちら側は離婚することを延々渋ったらしく、友人は地元に事務所を構える男 離婚 弁護士に相談したのだという。

弁護士にも様々な得意分野があると聞いた事はあったが、その弁護士は離婚の、それも男性側の弁護を得意としているそうで、ネット上などで色々調べた結果、その弁護士事務所に辿り着いたそうだ。

今回のケースは、明らかに友人には何の落ち度もなく、完全に相手側の問題による離婚という形になるので、慰謝料もきちんと請求し、速やかに離婚手続きが行われるよう、最善を尽くしてくれているという。

色々な話を聞いた後、彼にどう言葉をかけるべきか悩んだが、結局、ただシンプルにこうメッセージを送った。昔みたいに、二人で飲もう」


そうして、都内での男二人飲みとなった。「もう、離婚が正式に済んだら、地元から離れようって思って」都内で転職をするのは、嫌な思い出からできるだけ離れて、全てをやり直そうという、彼なりの決意だったらしい。

既に、転職先には事情を話してあり、相手方も離婚調停が済むまでは待ってくれるとの事で、このご時世、奇特な会社もあったものだと感心した。

久々に二人でべろべろになるまで酔っ払って、嫌な事を笑い飛ばしながら、歩いて僕の自宅まで帰った。

彼は地元に一旦戻り、諸々の手続きを済ませて来るそうだ。「また二人でバカみたいに飲もう!」そういう彼の顔は、妙に晴れ晴れとしていた。友人として、彼の今後の幸せを切に願う。